20th Campus Genius Award
第20回学生CGコンテスト
ノミネートnominate

まず、とても楽しみな作家が登場した!と思った。野性的にアニメーションが動き、縦横無尽にイメージは駆け巡り、早口なナレーションがまくし立て、観る側に一瞬の隙も与えない。強引で、枠にはまらず、少し恐怖も覚える・・とても痛快な作品だった。こういうフレッシュな才能が短編アニメーション界に出てきたことがとても嬉しい。まだまだ完成しておらず、作家性に伸びしろを大いに感じるので、大学院修了後もオリジナル作品を作り続けていってほしい。今後どのように成長していくのかとても楽しみだ。作品のスタイルが元気!というのも非常に良い。明るい作品、暗い作品、いろいろあるけれど、こういう底抜けに元気なスタイルは実は珍しい。生きてると嫌なこともあるけれど「何くよくよ悩んでんだよ!バーーン!」みたいな感じで、観る人の意識を現実からスコーーンと飛ばすアニメーションを作り続けてくれることを楽しみにしている。
(水江未来)

この作品を観て、久しぶりにばんの先生のことを思い出した。自分の知るばんの先生は、給食に出てくる野菜類を「美容と健康のため」と言って、しきりにおかわりをするよう促した。また、給食を所定の時間のうちに食べられなければ、それが無くなるまで放課後も食べさせたこともあった。算数では、1×1から9×9までの掛け算を90秒以内に暗誦できなければ、いつまで経っても掛け算の勉強だったし、国語では教科書の朗読がやたらと情熱的で笑いを堪えるのが大変だった。 といったような話を私の母にしたところ、「自分は家庭訪問でそんな人間と話をしたことが無いし、それはいさ先生であろう」と言った。人間50代も後半に差し掛かると、こうも記憶が曖昧になるのかと、息子としては暗澹とした気分になったのだが、言われてみればたしかにそれはばんの先生では無いような気もしてきた。
(渡邉朋也)

明確にイメージになりきらない子供のころの断片的な記憶を映像としてすくいあげていると思いました。ドローウィングされたアニメーション表現はいきいきとしていて、挿入される音楽やナレーションと掛け合わさって奇妙なテンポを生みだしています。ナレーションで語られるエピソードはそれぞれ多層的なイメージの広がりがあり、鑑賞していると作品のイメージ(記憶)に包みこまれるような感覚がありました。不思議で魅力のある映像が印象的な作品です。
(堀口広太郎)