20th Campus Genius Award
第20回学生CGコンテスト
ノミネートnominate

ここに映っているのは、ただ何もない場所をひとり歩く様子だけ。情報が抜け落ちている。その何もなさが気になる。砂浜はまるで世界が終わった後の光景のように見える。そうなのだ、この場所は、いま、誰のものでもない、意味付けを待って沈黙している場所なのだ。そんな場所がいま、日本に存在するのという事実に戦慄する。この場所がみんなのものに再びなるためには、まずは誰かのものにならないといけない。だから、ここを「プライベートビーチ」を呼び、そして、「よく晴れた日にまた来たい」と語るのは、決して不謹慎ではない。強引にも見えるそんなやり方を通じてしか、忘れられた場所は取り戻すことができないのだ。
(土居伸彰)

(虫の鳴き声・足音・傘を降る音)先まで雨(かちっ・くんくん)男の人(風の音・足音)一人(波の音)海(蹴られた石が転ぶ音・海風の音・砂利を踏む音)誰もいない。そう、この全ては作者一人のものなのだ。私たちが作者と共有しているのは、目に映る風景に対する認識を一瞬で変えてしまう、あの言葉だけである。
(馬 定延)