20th Campus Genius Award
第20回学生CGコンテスト
ノミネートnominate

一見プリビズかと思わせる様なプリミティブな画作り。その造形が語りだすと生々しい生活感が浮かび上がる。作者が抱える家族の問題を予見したフィクションとして描かれているが、訴えかけてくるテーマに深く考えさせられる。主人公である妹の顔や髪の色、障害を抱えた兄の目の大きさ、家族以外のシルエット処理、必要最小限の動きとカット割り。台詞も多くは語らない。実はすべて計算し尽くされた演出に賞賛を贈りたい。何も知らずにみはじめると画と音声の落差に虚をつかれ、兄弟の漂う宇宙まで一気に誘われる。問題から逃げているという思いに苛まれつつも向き合わざるを得ない現実。抱える思いの大きさがしっかりと伝わる作品。
(豊嶋勇作)

作者が意図的に選んだのは「一切のディテールを削いで上げた、人工的で頼りないビジュアルとアニメーション」。過去を回想するのではなく、現在をありのまま映すのでもなく、可能な未来を通して過去と現在を表現することは、ここまで削ぎ落としても、まだこんなに重い。大学を卒業する作者が描いた灰色の未来に、家族が本人の声を演じたという衝撃の事実が明らかになった後、言葉を失ったまま、宇宙塵のように浮遊するのは、二人だけではないはずだ。
(馬 定延)

宇宙に対して恐怖を抱いてしまうのは、そこに空気が無いからだろうか。それとも、単に暗くて広いからだろうか。
(渡邉朋也)