CAMPUS GENIUS AWARD GOLD

受賞作品

8時集合で

インタラクティブアート

早川 翔人(作者/代表者)

東京藝術大学大学院

審査員・評価員コメント

あるテーブルの椅子に座ると、そのテーブルに集まって会議をしている若者達がディスプレイに映し出される。
ふと、見ていると映像の中に「自分自身」が紛れ込んでいる。映像の登場人物から親しそうに質問を投げかけられ、
自分の決断の通りに多数決が決定し、自然体の仲間ができたような感覚に包まれる。

このリアルタイム観客実写合成+物語選択インタラクション作品は、映像空間の設定と同じように展示空間の設定を再現されている
(人物位置、カメラのポジション、アングル、照明のセッティングがナイス)。なので、参加感がとてもスムーズ、
手を上げる観客が多数になるように設定されているので、自分が決定権を持っているかのような感覚が味わえる。
「観客をリアルタイムでクロマキー合成している。またKinectによって手の上げ下げを認識し、物語を分岐させている。」(早川)

作者は2016年から「出演者としての観客」の探求と「自分ごと」に感じるメディアの形式を生み出せないか?がテーマで作品を発表し続け、
その成果がこの作品に結実している。 この作品を体験してみると、日常の延長線上のありえたかもしれない自分自身に、ふと、
ほくそ笑むことができる。「自分ごと」に感じるメディアの可能性を広げている作品だ。

審査員・寺井 弘典


現在は過去に記録された世界とは断絶されているにも関わらず、記録されたメディア(映像)に介入することで、体験者はそこに何かしらの繋がりを感じる。あるいは、自ら繋がりを作ろうと(繋がっているように見えるように)、振る舞うかもしれない。合成により映像内に入るというシンプルなインタラクションからシステムは何も反応を返さないが、そのことにより、体験者の脳内に能動的な作用としてのインタラクションを作りだす。

評価員・藤木 淳